こんにちは、池ちゃんです。

 梅雨に入ってからアジサイの花が特に目に付くようになりました。
また、アジサイ以外にも多くの季節の花々を目にするようになりました。それらの花々を見るのが最近の散策の大きな楽しみです。

 さて、今回は、それらの花々のうちから、ハナゾノツクバネウツギ、カイコウズ、ギボウシ、オカトラノオ、キクイモモドキ、ユウスゲ、アガパンサスの花についてご紹介させていただきます。

 

◇ ハナゾノツクバネウツギの花(6/7撮影、住宅地の中)

 ハナゾノツクバネウツギ(花園突き羽根空木/通称「アベリア」)は、スイカズラ科ツクバネウツギ属の一種であるツクバネウツギの栽培種です。ハナゾノツクバネウツギは、19世紀の中期にイタリアにおいて中国原産のabelia chinensis (タイワンツクバネウツギ)とabelia unifloraの交配によって作出された品種とされています。

ハナゾノツクバネウツギの花
 

 ハナゾノツクバネウツギは、高さ2m程の落葉低木で、花期は長く6~10月と咲き続けます。花の形はツクバネウツギに特有のツリガネ状で、白色又は淡紅色の小さな花を沢山付けます。花を沢山咲かせること、黒い実と基部の赤いガク片が羽根突きの羽(ツクバネ)に似ていることからその名があります。 

  

◇ カイコウズの花(6/15撮影、ユーカリが丘駅南口付近)

 カイコウズ海紅豆)、通称「アメリカデイゴ)は、南米やブラジル、インドやマレー半島に自生するマメ科ディゴ属落葉小高木です。日本には江戸時代に渡来したと言われ、現在沖縄・鹿児島両県の県の花となっています。なお、原産地のアルゼンチンとウルグアイでは国花にもなっています

カイコウズの花

 
葉が生えるのと同時に花序がでてくるのが特徴で、6~9月にかけてよく目立つ深紅色の花を沢山咲かせます。花の直径は4cm~6cm位、花弁は2枚で、下側に舌状の大きな花弁が、上側に固まってとがった形の花びらが付いています。カイコウズは、もともと南国の花なので、この辺りでこの花が見られるのは珍しいことです

 

◇ ギボウシの花(6/15撮影、住宅地の中)

 ギボウシ(擬宝珠)は、世界の温帯地域に生育するキジカクシ科ギボウシ属の多年草です。やや湿り気のある土壌を好み、日本の山野や草原には20種ほどが自生していると言われます。江戸時代には鑑賞用多数変異個体が固定され、シーボルトらよってヨーロッパにも紹介されたことは有名ですその後ヨーロッパではそれらをもとに多くの品種が育成され、現在ホスタの名前で普及しています。

ギボウシの花
 

 ギボウシは冬には枯れていますが、春になると成長して根元から放射状の葉を沢山付けます。開花期は6~9月です。根元から草丈1mにもなる花茎を斜めに伸ばして、10cm程の長さの白から淡紫色の花をやや下向きに多数咲かせます。花は筒状の6弁花で、朝開いて夕方には閉じる一日花です。名前の由来は、花のつぼみが橋の欄干の先に付けられる擬宝珠(ぎぼし)に似ていることから付けられました。

 

◇  オカトラノオの花(6/19撮影、住宅地の中)

 住宅地の中に毎年オカトラノオ(丘虎の尾)の花が咲く場所があります。街中で山野草のオカトラノオの花が見られるのは珍しいことです。咲いている場所は、家の北側で少し湿った場所のせいか、花穂はあまり大きくはありません。以前佐倉市民の森で見たオカトラノオと比べるとほんとに可愛らしいほどの大きさですが、それでもオカトラノオの特徴はしっかり備わっています。

オカトラノオの花
 

 オカトラノオは、日当たりの良い山間部の草地等に自生するサクラソウ科オカトラノオ属の多年草です。7~8月に直立した長い茎を立てて、その先端に長さが30cmほどの花穂を付け、小さな白い5弁の花をたくさん咲かせます。花穂の先端が虎の尾のように少し曲がっていることからこの名があります。

 

◇ キクイモモドキの花(6/19撮影、住宅地の中)

 キクイモモドキは、北アメリカが原産のキク科キクイモモドキ属の多年草です。明治時代の中期に鑑賞用として渡来しましたが今では野生化しています。同じく北アメリカが原産で、江戸時代末期に飼料用として渡来したキク科ヒマワリ属のキクイモ(菊芋)に花の形がよく似ていることからこの名があります。  

キクイモモドキの花
 

 花期は、キクイモは9~10月ですが、キクイモモドキは7~10月と早く咲き始めます。草丈はいずれも1m以上になり、花径が7cmほどの黄色い舌状花を咲かせます。キクイモは、根茎(芋)が食べられるので、戦時中は食用に栽培されていました。一方、キクイモモドキは根茎を作らず短い地下茎のみとなっています。これからの季節、近くの谷津田のあぜ道でもキクイモモドキの花は見られます。 

 

◇ ユウスゲの花(6/21撮影、住宅地の裏手の林縁付近)

 ユウスゲ(夕菅)は、日本各地の山地の草原や林縁などに自生するユリ科ワスレグサ属の多年草です。花期は6~7月で、茎の高さは1~1.5m、茎先が枝分かれしてやや芳香のある10輪程の花を次々に咲かせます。花の長さは10cm位で、6枚のレモンイエローの花びらはラッパ状に先がやや軽く反り返っており、その中央に6本の雄しべと1本の雌しべが見えます。ノカンゾウのように花弁の色が赤味を帯びないのが特徴です。

ユウスゲの花
 

 ユウスゲの名前は、葉の形がすげ(菅)に似ていること、夕方から咲くことから付けられたと言われます。ワスレグサ属の花はほとんどが朝方開いて夕方閉じ一日花ですが、ユウスゲだけは、夕方開花します。花粉の媒介者はスズメガだそうです。多数の県で絶滅危惧種として指定されており、千葉県では「消息不明・絶滅生物」とされている貴重な植物です。ちなみに、ユウスゲの花言葉“麗しき姿”です。

 

◇ アガパンサスの花(6/21撮影、住宅地の裏手の林縁付近)

 ユウスゲの咲いていた近くでもうアガパンサスの花が咲いていました。緑道の入口付近ではまだツボミですので、かなり早い開花です。アガパンサスは、南アフリカが原産のヒガンバナ科アガパンサス属の多年草です。優雅で美しいこの花は300種以上の品種があり、世界中で栽培されています。日本で最も多く栽培されている紫色の「アフリカヌス」は、明治時代に渡来したと言われます。

アガパンサスの花
 

 属名のアガパンサスは、ギリシャ語のアガベ)とアンサス)を組み合わせたもので、「愛の花」という意味になります。常緑性で、花期は6~9月、草丈は60cm程度で、一本の花茎から20~30輪ほどの薄紫色の花を咲かせます。花は先端がラッパ状になっており、横向きに咲きます。また、6枚ある花弁の内側に濃い紫色の縦模様が入っているのが特徴です

 

◎ 終わりに

 6月6日の梅雨入りから早や20日近くが過ぎました。梅雨も中盤を迎えましたが、このところ気温も上がり連日蒸し熱い日が続いています。体調管理、特に熱中症には十分注意して過ごしたいものですね。

 それでは、今回の投稿はこれで終わらせていただきます。